昨日は英語の聞き取りの話から、
全体の”流れ”であったり、
”構造”に目を向けるという話をしました。
僕は、英語は全く得意ではありませんが、
買い付けと観光ぐらいはなんとかなります。
この一年半ぐらいの間に
何度か海外に行く機会があって
だんだん慣れてきたというのもありますが、
それは言葉に慣れたというよりは、
”流れ”が分かるようになったからです。
例えば、イタリアで食事をすると
ウエイターの方にほぼ毎回聞かれるのが「水」です。
あんまり何を言ってるのか分かりませんが、
「水どうする?」みたいなことを聞かれます。
しかし、「イエス」では答えにはなりません。
イタリアの飲食店で出される水は
普通の水と炭酸水の二種類があって、
「水どうする?」の中には
「どっちの水にする?」というのが含まれています。
つまり、回答としては、
「ノーガスウォーター(ナチュラルウォーター)」とか
「ガスウォーター」という形で答える必要があります。
(炭酸水は、「フリッツァンテ」とか言いますが、
これで十分通じます)
これは店に入ったら必ず聞かれることが
分かっているから回答ができることです。
こういった慣習が違う場合には
体験しながら覚えて行くしかありませんが、
一度覚えてしまえばあとは予測できるので
回答に困ることはありません。
しかし、毎回「言葉」だけに目を向けると
(耳を傾けると)いつまで経っても
「聞き取れない」という呪縛から解放されません。
これが”流れ”や”構造”が重要な理由です。
そして、この感覚は、
別に英語のやりとりに限った話ではありません。
例えば、普段ショップから買い付けをする場合にも
構造を知っていると役立つことがあります。
(日本からオンラインで仕入れたりする時です)
例えば、分かりやすいのが、
初回10%オフなどの割引です。
あれは新規の顧客を獲得するための施策ですが、
10%オフにしたからといって、
赤字になる訳ではありません。
ショップは10%オフにしても
十分に利幅があります。
つまり、初回だけではなくて、
交渉次第では通常時にも同等の割引きを
受けられる余地があるわけです。
もっというと、
セレクトショップは定価のおおよそ60%ぐらいが
仕入れ価格になることが多いそうなので、
20%オフで売ったとしても
利益は20%ぐらい出ることになります。
ですので、セレクトショップは
割引自体はできなくありません。
ただ、バッグとかアクセサリや
シューズ・服などをまとめて仕入れているので、
なんでもかんでも一律20%オフでは
売りたくないという事情もあったりします。
(トータルでの利益を出す必要があるからです)
といった事情(構造)が見えていると、
例えば、服であれば大きめの割引を
要求したみたりと、交渉もしやすくなります。
また他にも、”流れ”でいうと、
商品には基本的に「シーズン」があるので、
時期によって売られ方が異なります。
新作が出た直後はできる限り
利幅がある定価で売りたいでしょうし、
次のシーズンの入荷が近づいてきたら
保管スペースや売れ残りの都合で
多少赤字になっても売りきりたい
ということがあります。
今、まさにセールに…というタイミングですが、
この時期は前シーズンの商品をセール価格で
売り切ろうという時期なので、
普段割引対応をしてくれない
価格設定が高いショップであっても、
安く買えると可能性が出てきます。
という具合に、時期によって
仕入れ先の状況が動くのに
自分が常に同じ活動しかしていなければ、
せっかく利益を出せるチャンスがあっても
逃してしまうことになります。
このように全体の流れや構造を
把握しておくと、今後の展開を予測し、
前もって行動ができるので
ライバルより先手を打つことができます。
先に動くということも
ライバルより優位に立つ条件の
1つになりえるので、
目の前の事象だけに囚われず
ぜひ流れや構造をみながら予測を立て
行動に移してみて下さい。
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